新築の匂いをいつまでも嗅いでいたい

新築の家って、独特の匂いがあります。乾燥した木の匂い、まっさらな壁紙の匂い、青い畳の草の匂い、フローリングのワックスの匂い・・・。なぜだかいつまでも嗅いでいたい、いい匂いです。
でも新築の家での生活が二年目ともなると、それらのいい匂いは少しずつ薄れていきます。そんなころ、私が好きだった部屋があります。それは和室です。和室は西北側に位置しており、玄関を上がってリビングとは逆側に進んだところにありました。和室への廊下には小さな物置があるだけで特に用もなく、普段は家族も立ち入らない部屋でした。和室を使うのはお客さんが来たときか、家庭訪問の先生が家に上がったとくくらい。窓も扉も締め切ってたため、いつまでも新築の匂いが抜けませんでした。日に焼けていない、表面の擦れていない畳の匂いや、洋室よりも多く使われている木材の匂いが大好きで、よく一人で和室にこもっていました。ただ畳に大の字になって天井を見つめ、新築の匂いを堪能する、そんな空間でした。